2013年8月5日

台にレール取り付け

ねじ切り部の台は左右に動かせるように、Tスロットを取り付けます。ルーターを使って溝を切りました。
ローコストねじ切り治具の製作

製作開始

ローコスト版の設計

ねじ切り部本体の製作

チャックアダプターとM10のボルトは、ウッドターニングで木のカプラーを作ります。外側からホースバンドで締め付けて固定します。この方法での芯ブレを心配しましたが、問題ないレベルで出来ました。チャックアダプターの軸受は、UHMW(超高分子量ポリエチレン)のブロックを使いました。耐摩耗性が高いからです。UHMWのブロックは木の板に埋め込みました。UHMWもオフさんで購入できます。

ねじ切り治具でコストが上がる理由は、X-Yテーブルが付いているからです。ツールポストに取り付けて使うChefwareの物は、X-Yテーブルが付いていない分、安くなっています。しかし旋盤に取り付ける場合は、簡単ですが小生は旋盤の主軸にカッターを取り付けることを、お勧めしていません。理由は回転数が遅く、ネジが綺麗に切れないからです。ねじ切り治具は高速回転のトリマを乗せた台に取り付けて使うことをお勧めしています。

ウッドターニングで木にねじを切る方法は大別して2通りあります。ツールを使った方法と治具を使う方法です。ツールを使う方法はもちろん手で持ってネジを切っていきますが、非常に熟練を要します。このツールで毎回失敗せずネジを切ることが出来る上級者も居ますが、一般的には非常に難しいと言わざる負えません。

しかし治具を使った方法は、中級者なら問題なくネジを切ることが出来ます。問題はねじ切り治具が非常に高価であることです。そこで自作することになります。

まずトリマを固定する台を作ります。2枚の板でトリマを保持します。台はスライド出来るようにして、M6のボルトを取り付け、微調整を出来るようにしました。

完成

トリマ台はY軸方向に、M6のネジで動かせます。ねじ切り部はX-Y軸に大きく動かすことが出来ます。カッターに近づけて設定するのには、十分な移動量です。カッターに近づけ、微調整はトリマの位置とM10のボルトを回して行います。材料代はトリマ、カッターを除いて、6千円ぐらいです。使用した木はすべて手持ちの物を使ったので、6千円には含まれていません。

X-Yテーブルは本当に必要か?

コストアップになるX-Yテーブルは、使わないことにします。必要なのはネジの切込み深さを微調整するY軸の数ミリのスライドだけです。X軸のスライドは下のTスロットトラックを使います。オフコーポレーションで購入することが出来ます。

チャックを取り付ける主軸はVeritas チャックアダプター 1x8tpiを使いました。これもオフさんで購入することが出来、1,575円です。このチャックアダプターを木で作ったカプラーで、M10のボルトに接続します。M10のネジのピッチは1.5mmです。もう少し細かいピッチにしたければ、M8に交換して1.25mmにすることも出来ます。

トリマの台はこれで完成です。Y軸方向にM6のネジで動かすことが出来ます。ネジのピッチは1mmなので半回転で0.5mm動かすことが出来ます。1mmなので簡単に計算できます。下から飛び出ているボルト、ナットは、手で締め付けることが出来る物に交換する予定です。カッターの切込み深さが決まったら、このナットを締めつけてルーター台を固定します。

M10のボルトの方は板付きナットを取り付けました。ネジのピッチを変える時はボルトと板付きナットを一緒に交換できるよう、ビス止めとしました。M10のボルトを回すノブはウッドターニングで作りました。台はY軸方向に動かせるようにしました。実際に回してみると、そこそこの硬さで回ってくれました。ベアリングなど使わずUHMWを使ったのが正解でした。

ネジを切ってみました。Vermecの治具と同様に問題なく切れます。右の写真をクリックするとY-Tubeの動画を見ることが出来ます。

トリマを動かすネジのバックラッシュをなくすためスプリングを追加で入れました。