2016年2月16日
アワビの貝殻を使ったお酒をつぐ片口です。貝殻は自然の物ですが、片口として適当な形をしていたので、漆を何層にも塗っては研ぎ、塗っては研ぎを繰り返したという。筆者も欲しいと思ったが、作者は金を積んでも手放さないだろう。
京都にあります木工房「ぶん」さんに訪問する機会があり、作品を見せて頂きました。相変わらず素晴らしいもので、漆の塗り方のバリエーションが多岐にわたっています。工房主は新しい塗り方を、見つけることに生きがいを感じておられるようで、同じものを沢山作るというタイプではありません。見せて頂いたものは、ほとんどが異なる技法で塗られています。また漆だけでなく木固めエースを使った、完ぺきな塗装も完成されたようです。もちろん木固めエースだけではなく別の材料を加えて、強度、質感などを改善されています。
漆を塗る作業台です。 台が低速で回転します。漆を塗る場合重宝するそうです。
葉っぱを漆で貼りつけた後、薄い和紙を張り付けたものです。非常に丈夫だという。
これが新しく開発された塗装です。しっとりとした質感が出ます。耐水性もあり、濡れてもささくれることがありません。
輪状の模様はノリで書かれています。乾燥して硬くなってから漆を塗り、水で洗うとノリの部分が取れるので、別の漆を塗るというやり方です。