2016年7月3日

ウッドターニング用グラインダーの選択

エンスジアスト向けグラインダー

テックさんはこの様なウッドターニング用に作られた市販のグラインダーは使っていません。三相200Vの工場で使われる日立のGT21SHという両頭グラインダーを使っています。三相200Vのグラインダーを使う理由は、インバーターで回転数を0〜3600RPMまで自由に変えることが出来るからです。逆回転もさせることが出来ます。ラフィングガウジなど太い刃物は1500RPMぐらいで研ぎます。6mmのガウジなどは焼けやすいので、回転数を1000RPM以下にして研ぐことも出来ます。刃物に合わせて自由に回転数を選ぶことが出来ます。しかもグラインダーは工場で使う日本製のがっちりしたものです。

下の写真のグラインダーは、比較的新しかったので1.2万円ぐらいしましたが、古いものだと3000円ぐらいからヤフオクに出ています。古い物でもベアリングを交換すれば、新品同様になります。右下のインバーターも古いものなので、3000円で落札したものです。

  6"(15cm)   7"(18cm)   8"(20cm)  
 ブランド  KERV VERIOK   BALDOR  台湾製 VERIOK   KERV WEN 
 型番 T 1152   VSG-6  7306  GR8411  VSG-8  T 1157  4286
 回転数
50Hz/60Hz(RPM)
 1400/1700   2200〜3000
2200〜3400
 1500/1800  1400/1700  2200〜3000
2200〜3400
 1400/1700 1458/1750 
 重量(kg)  17.0  11.8  31.8  不明  18  22.0 不明
 砥石サイズ(mm)  150x25x20  150x20x12.7  178x25.4x15.9  205x25x15.9  200x25x15.9  200x40x15.9 205x25.4x15.9 
 砥石粒度  #46/#80  #46/#80  不明  不明  #46/#80  #80x2 #60/#120 
 販売店  オフコーポレーション   オフコーポレーション  ウッドターニング上手  ウッドターニング上手   オフコーポレーション  オフコーポレーション  Amazon.com
 価格  29,900円  14,990円  54,000円  35,000円  19,990円  39,900円 18.220円

 換算レート:1$=106.52円

6"〜8"のハーフスピードグラインダー

ウッドターニングでは、刃物が切れなくなると研ぐということを繰り返しやります。この用途には#80〜#120の砥石を使います。一方新しい刃物を買った場合は、自分の好きな角度、形に変えることがあります。この場合は#46など粗い目の砥石を使い、発熱を押さえて早く希望の形にします。従って左右に異なる砥粒の砥石を取り付けることが出来る、両頭グラインダーを使用します。

もう一つウッドターニング用では、刃物の発熱を押さえる必要があるため、ハーフスピードグラインダーと呼ばれる、回転数が1,400/1,700RPM(50Hz/60Hz)の回転速度が遅いグラインダーを使います。一般的に売られているグラインダーは3000/3600RPMの物がほとんどです。刃物の焼けを押さえるため、回転速度の遅いウッドターニング専用の割高のグラインダーを購入する必要があります。

砥石の直径は15cmより20cmの方をお勧めしますが、15cmでも使えないことはありません。それでは具体的に現在売られているハーフスピードグラインダーを見ていきましょう。

国産のグラインダーには、19mm幅までの砥石しか取り付けられないことになっていますが、ナットがねじの山に十分かかるの25.4mmの幅の物まで取り付けることが出来ます。ホイルワッシャーは分厚いアルミの物が付いており、シャフトに対して直角に砥石を取り付けることが出来ます。DIY用の物だとこれは鉄板になっています。砥石が傾くと回転させた時左右に砥石が揺れます。

下の回路図をクリックするとインバーター回路の製作を見ることが出来ます。

上の表がハーフスピードグラインダーとハーフもどきの一覧表です。VSG-6と8は正確にはハーフスピードグラインダーと呼ぶことはできません。この商品は電圧を変えて回転数を調整しようとしていますが、誘導モーターは電圧を変えて回転数を変えることはできないのです。モーターのトルクは電圧の2乗に比例するので、電圧を例えば60%にすると、トルクは36%まで低下します。トルクの低下により回転が遅くなりますが、刃物などを当てると止まってしまったりします。回転数が刃物を当てると上がったり下がったりする、不安定な動作になります。回転数も2200RPMまでしか下がらないので、ここでは購入の対象から外します。

KERVのT 1152は、ハーフスピードグラインダーといえますが、8"のGR8411と比べ5,000円ほどしか価格が違わないので、GR8411の方に魅力を感じます。BALDORの7"は特殊なサイズであり、価格も高すぎるので買えません。KERVのT 1157は幅40mmの砥石を使っており、研ぎやすいのですが砥石が#80を2個付けているのが気に食わないのと、交換用の砥石の価格が高くなるのが宜しくないと思います。

結論としてお勧め品は8"のGR8411になります。がそれはグラインダーを国内で買う場合の話です。アメリカのAmazonでは同様の仕様の物が中国製ですが1.8万円ぐらいで買えます。これはアメリカから自宅までの送料も含んでいます。

お勧め品