2018年5月10日

集塵機一体型シーエンサイクロンの製作

動画

下の写真をクリックすると動画を見ることが出来ます。

吸い込み口には集塵機のごみ箱についていたプラスティックの吸い込み口を移設します。ごみ箱の方は吸い込み口に穴があきますので、この部分は塩ビのパネルでふさぎます。この透明の塩ビのパネル越しに内部のごみのレベルを見ることが出来ます。

工房の隅の方を掃除するため、業務用集塵機にシーエン型サイクロンを取り付けることにしました。まず問題なのが集塵機が無いので、ヤフオクで中古品を探しました。ごみ箱の上にフィルターの付いたモーター部が乗っかる一般的な物で、リョービのVC-23という集塵機を購入しました。吸込仕事率は310Wで最新の同じタイプの集塵機が360〜370Wであるのに対し、少し低くなっています。

風量計測

この集塵機の最大風量を測定してみました。使用する測定器は風速計です。扇風機のようなファンが付いた測定器を集塵機の吸入口に置きます。そうすると風速が測定できますが、風量は吸入口の面積と風速の積で求められます。この場合は吸入口の直径は54.52mm、風速は27.6m/秒でした。従って風量は下記の通り計算できます。

0.0276x0.0276x3.1416x27.6=0.0644m3/秒 ⇒ 0.0664x60=3.9m3/分

リブロスさんで販売している1馬力の集塵機は1026Wとこのリョービの集塵機とほぼ同じ消費電力ですが、オフさんの方の集塵機の風量は19m3/分と非常に風量が多くなっています。この違いは何か?リブロスさんの物はサイクロンが付いていないので、その分の損失がないこと、それに多分ファンの直径の違いから来ていると思います。

完成

サイクロンの吸い込み口は丸いパイプ状からなだらかに四角い形に変わります。旋盤で角材をラッパ状に挽いて、外側に合板を貼り付けました。それをバンドソーでサイクロンの円筒面に合った形にカットしました。

サイクロンの構造

サイクロンは小型のシーエン型を採用します。リョービの集塵機を活用して、モーター部と下のごみ箱の間にサイクロンを挿入する一体型とします。一体型のメリットは、上下方向に高くなりますが、設置場所の面積は元の集塵機とほぼ同じで、狭い工房では有用な集塵機になります。これを実現するにはモーター部にサイクロンの円盤を直接取り付ける必要があります。下のごみ箱も同様ですが、こちらはあまり考えなくても取付の問題は無いでしょう。まずはモーター部を取り外してどの様な構造になっているか確認します。やはり補強用のリブなどがあり、シーエンの円盤を取り付けるには、少し工夫が必要です。モーター部のカバーがねじ止めされているので、これを外すとモーター部の上側から長ビスを通して固定できることが確認できました。上から長いビスを通し、それにシーエンセパレーターの上部の円盤を固定することにしました。円盤はモーター部の形状に合わせて削り、隙間なく取付が出来るようにします。

塩ビのパネルを上下の円盤に取付ます。その前に吸い込み口の穴を塩ビにパネルにあけます。塩ビのパネルは木ネジで円盤に取り付けていきます。塩ビのパネルのつなぎ目にも合板を取りつけますが、円弧に合わせてテーブルソーでカットしています。

製作開始

シーエンセパレーターの上下の円盤、仕切り板の製作を木工旋盤を使って始めます。木工旋盤がなければサークルカットのトリマなどで切り出すことはできます。まずはコンパスで円を描いて、バンドソーで切ります。それを旋盤に乗せて丸くします。ごみ箱の淵にぴったり合うよう、段を作りドーナット状に切り出します。

モーター部の方は出っ張りがあるので、合板を削ってぴったり取り付けられるようにします。そのため合板は2段重ねになりました。モーター部に取り付けた6本のビスでしっかり取り付けることが出来ました。

すべてをねじ止めしたら次は空気漏れを防ぐシリコンシーリングをやります。考えられる隙間はすべてシーリングします。